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鈴木 篤之*; 長崎 晋也*
PNC TJ1602 96-001, 67 Pages, 1996/03
天然バリアを構成する岩盤の中で人工バリアに交差した亀裂では、亀裂中のある領域まではベントナイトで充填されているものと考えられている。人工バリア中での放射性核種の拡散は亀裂充填ベントナイト中を移行し、亀裂ネットワーク中の地下水流に放出されるが、こうした核種移行プロセスは人工バリアと天然バリアとの間の掘削影響領域に影響されることが予想される。しかし、このプロセスは非常に複雑であるため、掘削影響領域を模擬しアクチニド元素の吸着やコロイド形成機構等を考慮した実験並びにモデルに基づいた数値解析が必要である。そこで本研究では、ベントナイトで充填された仮想的な岩盤亀裂中での種々の酸化還元電位(Eh)に対して、アメリシウム、ネプツニウムの吸着分配係数を実験により測定した。このとき、Ehの関数として実験的に求められたKdを用いることにより、ベントナイトで満たされた亀裂中での放射性核種の移行を数値的に評価することができる。ベントナイトで満たされた亀裂中から天然バリア内亀裂ネットワークへの物質輸送についてシミュレーション解析を行った結果、ウランの同位体と娘核種の移行には影響がないことがわかった。さらに、遺伝的アルゴリズムとファジー理論との融合による解析手法を用いて人工バリアにおける放射性核種の移行に関する不確実性解析を行った。
柴沼 清; 大楽 正幸
核融合研究, 66(6), p.682 - 699, 1991/12
水素ガス排気用JT-60NBIクライオポンプを改造し、ヘリウムガス排気用大容量クライオソープションポンプを開発するために、まず、ヘリウムガスの吸着媒としてSFガス凝縮層を使用した小型クライオソープションポンプを用いて、ヘリウムガス排気に関する基礎特性の取得を行った。次に、これらの実験結果を基に、NBIクライオソープションポンプを構成する6個のモジュール各々について、各モジュール前面の圧力を考慮して各排気面のヘリウムガスに対する有効吸着係数を決定し、モンテカルロ法にてNBI真空容器内の圧力を求めるための計算を行った。その結果、解析結果は実験結果と比較的良い一致を示した。これにより、ヘリウム排気用大容量クライオソープションポンプを開発するためのヘリウムガスに対する排気特性評価手法を確立することができた。
阪井 英次
IEEE Transactions on Nuclear Science, NS-31(1), p.757 - 760, 1984/00
カバーガスガンマ線スペクトロメータは原子炉の燃料破損を検出する有効な方法である。しかし高速炉ではカバーガス(Ar)の放射化で作られたAr-41からの1294KeVガンマ線のバックグラウンドが強く、核分裂生成核種からのガンマ線を検出するのが困難になる。室温あるいは冷却した活性炭を用いると、Arに対するKr、Xeの検出効率を改善できる。本論文では内径40mm、深さ8mmの容器に詰めた5gのツルミコール2GMの吸着係数をガスクロマトグラフを用いて測定した結果、およびJRR-3カバーガスを用いて測定した活性炭-Ge検出器の特性について報告する。活性炭の吸着係数の温度依存性、濃度依存性、キャリアガス依存性、破過時間などに触れる。